About laboratory
研究室概要
ご挨拶
黒田 雅彦 Masahiko Kuroda
病理学は形態学を中心として人の病気の成り立ちを研究する学問分野として発展し、現代の医療、治療の診断に必須の学問となっています。
一方近年の医学・医療の急速な発展は目をみはるものがあり、生命現象が分子単位で理解される現在、病理学にも新たな展開が要求されています。

このような背景と、最先端の分子医学を研究、教育、診断に取り入れる必要性から、東京医科大学においては、従来の『病理学講座』を基盤に『分子病理学講座(2014年から分子病理学分野)』と名称を変更し新たに本講座が発足しました。

東京医科大学の病理学の礎は緒方知三郎先生が築き上げ、現在まで60年の歴史を持つ教室となりました。
この実験病理学の伝統は、大高裕一名誉教授を初めとする歴代の主任教授の先生のお力で発展してまいりました。
これらの先人の輝かしい業績を基礎にし、最先端の医科学を取り入れながら、これから更に教室を発展させていきたいと考えております。

また、緒方先生は、幅広い領域の臓器において卓越的な能力を発揮され、文化勲章を受章されましたが、緒方先生の功績は、研究の成果だけではなく多くの素晴らしい人材を育成したことにもよるといわれています。
その教えに倣い、わが講座も人材育成に力をいれていきたいと考えています。

我々の教室は、基礎医学系に属していますが、病理解剖、診断を始めとして臨床業務の一躍を担っています。一方、先進的かつ創造的な研究は本学の使命であります。

特に基礎と臨床をつなぐトランスレーショナルリサーチ(橋渡し研究)の推進は、医学、医療の発展において重要です。
この観点から我々は、核酸医薬品の開発、miRNAを用いた次世代診断と治療の実用化、エクソソームを用いた細胞治療、AIをいた病理診断システムの開発で、国内・海外の研究拠点と連携し早期の臨床応用を目指しています。

最後になりますが、我々は形態学を基本に、最先端の臨床応用を目標にした研究を行っています。
基礎医学のみならず、臨床医学としての病理診断や、病理形態学をベースにした研究に興味のある学生、研修医、臨床医の多くの方々に活躍の場を提供できるものと考えています。

我々は広く門戸を開放していますので、病理学に興味をお持ちの方々のご参加を歓迎します。

概 要

分子病理学分野は、基礎医学系に属しており、病理解剖・診断を始めとする臨床業務の一翼を担っています。一方、先進的かつ創造的な研究は本学の使命であります。特に基礎と臨床をつなぐトランスレーショナルリサーチ(橋渡し研究)の推進は、医学・医療の発展において重要です。この観点から我々は、抗体医薬の開発、miRNAを用いた次世代診断と治療の実用化、骨髄間葉系幹細胞、iPS細胞を用いた細胞治療を主要なテーマに、国内外の研究拠点と連携し、早期の臨床応用を目指しています。

主な研究領域(研究内容)

■癌の分子標的治療法
■核酸医薬品の開発
■miRNAを標的にした分子診断
■骨髄間葉系細胞、iPS細胞を用いた細胞治療
■骨軟部腫瘍の臨床病理学的・分子病理学的解析